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- 工場で残業が多い時期や理由を知りたい
- 残業の少ない工場を知りたい
- 残業が少ない工場の特徴
- 残業を減らす方法
- ホワイト企業は残業が少ない?
- 過酷な労働から抜け出したいけどどうすればいい?
工場は残業が多いイメージがありますでしょうか? 私はもう30年くらい工場で働いていますが、部署や時期、その時の会社の経営状況によって残業量は全然違います。なので、単純に工場は残業が多いとも、少ないともいえません。
この記事では、残業が多くなる理由について状況別に説明します。結論の一つは「ムダが多い」ですが、大企業ほどムダの削減に積極的です。例えばトヨタの工場ではものを探す人がいないといいます。5Sが徹底されているのですね。
※5Sとは、【整理・整頓・掃除・清潔・しつけ】のこと
記事を読み進めれば、工場勤務に不安がある方でも不安が解消され、工場勤務が自分にあっているか判断できるはずです。
これから工場に就職を考えている人なら、「なるべく大企業に入る」すでに勤務している人なら「ムダを削減できないか考えてみる」が結論です。
工場で残業が多い時期や理由を知りたい
繁忙期(ハンボウキ)という言葉を聞いたことがあると思います。需要が一時的に増えることにより、その時期だけ忙しくなることをいいます。他の残業が多くなる理由は、設備の不調、人材不足、企業文化、計画性がない、マネジメント問題など、様々です。一つ一つ掘り下げていきましょう!
繁忙期は忙しいので残業が多くなる
決算の時期と、ボーナス時期は一時的に残業が増えることがあります。一時的に毎日残業になることはあるでしょう。
決算期は売上げを上げたいので残業が増える
利益や資産を計算する時期です。大企業では3月、9月、12月決算が多いです。【決算セール】を見かけることがあると思います。売り上げを達成するために受注を多くとったり、在庫処分に奔走するので忙しくなるのですね。
工場での生産も多くなりますが、予算達成のために駆け込みでたくさん作って、固定費を下げるというような無計画な工場もあります。在庫がはければいいですが、作りすぎは不良在庫を抱える原因にもなります。
決算期は会社によって違います。6月や8月など様々です。
ボーナス時期は購買意欲が強くなるので残業が増える
一般的に6月と12月が多いです。お金が入れば使いたくなりますから、バーゲンセールなど増えますよね。自動車工場もこの時期は生産台数が上がります。
製造業は常にフル稼働になりがちなので残業が増える
経営が良好な会社なら製品ごとの市場の引き合いから、部署ごとに稼働率は変わりますが、基本フル稼働しています。稼働が落ちている部署は、他部署に応援(残業含む)に行くこともあります。
設備の不調や老朽化が原因で残業が増える
私が以前いた工場では、生産ラインの機械の故障が多く、毎日残業になっていました。利益が出ないので、設備投資できなかったのですね。会社に入る前に工場見学が可能なら、建物含め、見た感じ古いなと感じたら気にした方がいいですね。
最初から機械に関する知識はないと思いますので、判断は難しいと思います。会社に入った後、ブラックだと感じたらすぐに別の会社に行けるように準備しておきましょう!
お金、人手不足を解消するために残業が増える
慢性的に残業が発生する会社は、「利益率が低くく、人が雇えない」というダブルパンチの場合があります。早めに転職を考えるなど、対処しましょう。
製造業の人手不足問題
厚生労働省「2022年版 ものづくり白書」によると、製造業の就業者数は、約20年間で157万人の減少だそうです。製造業の全就業者数に対する就業者割合も約20年間で3.4ポイントの低下となっています。若年就業者数も、約20年間で121万人減少、高齢者就業者数は、約20年間で33万人増加しています。
少子高齢化の影響がモロに出ていますね。とはいえ、今後は製造の自動化必須となるため、会社に入るのは難しくなりますが、残業はなくなるでしょうね。
外部サイト≫厚生労働省「2022年版 ものづくり白書」3/10ページ参照
残業をポジティブにとらえる高度成長期世代が多いと残業が増える
高度成長時期の残業してでも作れば儲かるという時代はとっくに終わっているのに、いまだに残業を美徳と考える世代がいます。少子化で若い世代の働きても減ってきていますから、職員の平均年齢も上がります。
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【サービス残業は美徳ではなく悪】残業が減らない理由4選と、絶対減らせるたった一つの方法!
生産能力を超えて生産しているため当然残業になる
利益を出しにくい商品を扱う会社にみられます。元々利益が出ていたが、単価が安くなり、利益が出にくくなるケースがあるでしょう。利益を出すために、製造キャパを超えて製造するので、当然時間外労働になります。工場に入る前に、会社の状況を下調べしておきましょう!
転職サイト(エージェント)には、会社ごとに紹介文が掲載されていますのでチェックしましょう。ネットで口コミを確認するとさらにいいですね!
個々人の能力差から業務の割り振り方に偏りがでる
マネジメント能力のなさから、仕事の割り振りが雑になっています。おとなしくて、言われたらなんでも引き受けてしまう「いい人」ほど、仕事を押し付けられがちです。
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残業が多くなるのは、上司の仕事の振り方にも問題があります。以下の記事で詳細を確認してください。
【残業が多すぎてつらい!】多くなる理由9つと確実に減らす方法3つを解説。
残業の少ない工場を知りたい
工場だから残業が多い少ないではなくて、会社の状況により残業量は左右されます。入りたい会社の状況をよく調べてみましょう。上場企業であれば株価の推移をみて、極端に株価が下がっていれば要因は何か調べます。企業ホームページ内のIR情報もチェックしましょう。
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Yahoo!ファイナンスは会社四季報を基にしたデータが閲覧できます。EDINETは有価証券報告書の閲覧などもできますし、企業のホームページにはIR情報が載っていることもあります。以下の記事も参考にしてください!
月60時間超残業は長すぎ!【労働時間と過労死の関係も説明】
3交代勤務の工場は時間で人が入れ替わるので残業が少ない
経営がうまくいっている会社の場合、シフト勤務は残業になりにくいです。すくなくとも毎日残業にはならないでしょう。計画通り製造できているからです。
経営がうまくいかない原因は色々ありますが、製造において過去は許されたが、今は許されないなどがあります。例えば、ユーザーから製造記録・製造方法の不備を指摘されたりします。それによって、想定していなかった工程・作業が増えますから、時間がかかり残業が増えるというわけです。
見える化を徹底することで無駄が少なくなり残業も少なくなる
トヨタの工場にはものを探している人がいないといいます。「何がどこにいくつあるか」などの管理を徹底することで、資材を探す時間を削減しているわけです。アメリカのビジネスマンは、年間のモノを探す時間に1ヶ月分かけているというデータもあるそうです。
探し物がみつかるまで仕事が進みませんから、残業が発生したり、生産性が落ちたりすることになります。
残業が少ない工場の特徴
トヨタなどの大企業は残業が少ないとされます。共通するのは、徹底的な「ムダ」の排除です。普段あまり意識していませんが、精査してみると意外と仕事にはムダがあることに気づきます。例えば、「この承認いる?」「なんでこんなに稟議に時間かかるの?」などです。それ以外の理由についても見ていきましょう。
5Sが徹底されているため無駄な作業が発生しにくい
5Sとは【整理・整頓・掃除・清潔・しつけ】のことを指します。【整理・整頓】することで、部品やメンテナンス用品の数量不足、工具の欠品がなく、工程やメンテナンス作業の遅延がなくなる。【掃除】を徹底することで、職場が【清潔】に保たれ工場の劣化を防げる、製品への異物混入もなくなる。【しつけ】は教育ともいいますが、「不正をしない」等の倫理感覚を養うことで、会社・社員を守ることにつながる。
具体的に考えてみると、会社の利益につながることばかりですね!
職員の多能工化を進めているので特定の人に仕事が偏らない
会社に特定の人にしかできない仕事がありませんか? 余程特殊な仕事でない限り、みんなにできる仕事にするべきです。タイムリーな話ですが、私も自分一人しかできない(携わっていない)仕事があったのですが、最近工場のメンバーに共有しました。これで心置きなく休むことができますね。
残業するには上司の許可が必要なのでわざと残業できない
残業をするのに、上司の許可がいる会社もあります。本当に必要な残業かを判断して、必要なら残業を行うとすることで、ムダを削減できます。厚生労働省の調査によると、時間外労働の集中部署、職種等が明確になり、業務配分や要員の見直しを的確に行うことができるようになったそうです。
明日でいい仕事を残業で行っている事例が見られる場合も多いです。
IoT化または機械による自動化が進んでいるので計画通りに生産できる
IoTとは【インターネット・オブ・シングス】の略です。「モノのインターネット」とも呼ばれます。工場の装置やセンサー、生産量の管理・原料発注などをインターネットで同時に分析・管理、最適化することで、需要に即した製品をムダなく製造できるという代物です。自動化が進んでいれば、人も必要なくなりますし、残業もなくなりますよね。
大企業の工場は残業が少なくなる傾向
大企業と中小企業を比較した場合、中小企業の方が残業が多くなる傾向があります。理由は、大企業が残業を減らした分の仕事が回ってくるからです。大企業は働き改革などの実施で企業イメージをよくして、優秀な社員を集めようとします。立場の弱い下請けがそのしわ寄せを受けるのですね。
残業を減らす方法
残業する人がいると、付き合いで残業したり、常態化してしまうことがよくあります。ノー残業dayを設定すると、時間管理の意識が向上しますから、残業の抑制効果があります。
ホワイト企業とは、厚生労働省から認定を受けた【安全衛生優良企業】をいいますが、過重労働防止対策などを積極的に行っています。公表することで、就労者が入社する前に会社の状況を把握できます。
安全衛生優良企業とは、労働者の安全や健康を高い水準で維持・改善することを厚生労働省から認められた企業を指します。
ノー残業dayを自ら設定して残業を減らす
残業をしない日を設定すると、業務効率がよくなることが分かっています。特に自分で週に1日ノー残業dayを設定すると、効率よく仕事をこなす習慣が身につきます。残業ありきで考えると「残業すればいいや」となり、いつまでたっても残業地獄から抜け出せません。
外部サイト≫厚生労働省 時間外労働削減の好事例集
最初から残業の少ないホワイト企業を選ぶ。または転職する
大企業は対外的なイメージを大事にしますので、過剰な残業などブラック感をなくそうと努力します。下請けの中小零細企業は大企業の残業減らしの影響を受けて、逆に残業対応などが増える傾向があります。
比較的新しい会社・経済力のある大企業は設備投資できますから、残業も少なくなる傾向があります。
過酷な労働から抜け出したいけどどうすればいい?
今の状況に満足がいかない場合、生き方や働き方の意識を変える必要があります。有効な手段として一番コスパがいいのは読書です。
本は高くても数千円程度ですが、意識を変えるのにとても有効な手段です。価値が高い本だと、もともと数千円程度の本が、10万超えの価値がつくこともあるくらいです。
読書をすると思考が変化しはじめます。今の生き方や働き方を自分自身で見直すようになり、本来、自分のあるべき姿に気づくこともありますので、こころがふっとかるくなったりすることがありますね。
私が最近読んで、よいと思ったものは、「エッセンシャル思考」という本です。その中でこころに刺さった一文がありました。
振られた仕事を全て反射的に引き受けていませんか? 結果として全体的に仕事の質が下がり、かえって自分の評価を落とすことになります。
長時間労度で疲労すると、注意力の低下から、ケアレスミスや重大な事故を引き起こすことになるかもしれません。一生懸命働いて、評価が下がった上に労災なんか起こしたら。。。それこそあった話ではありません。会社はNoといわない社員に仕事をのせてきます。そもそもNoといえないような会社は論外なので、早く去ったほうがいいとおもいますよ。