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退職が決まったら、お世話になった方々に挨拶メールを送るのが一般的です。しかし、いつ、誰にどのような内容で送ればいいのかといった多くの疑問が浮かぶものです。
この記事では、退職挨拶メールの基礎知識や書き方の基本、送り先別のメールの例文などを解説します。記事を読むと、正しい退職挨拶のメールが送れるようになります。
» 退職理由の正しい伝え方とポイントを解説!
退職挨拶メールの基礎知識
退職挨拶メールの以下の基礎知識を解説します。
- 退職挨拶メールを送る目的
- 退職挨拶メールの送付タイミング
- 退職挨拶メールの送信対象者の考え方
退職挨拶メールを送る目的
退職の挨拶は、今までお世話になった社内や社外の人たちに向けて、退職報告と感謝の気持ちを表すために必要です。理想的には対面での挨拶が望ましいものの、社外の人たち全員と会うのは難しいため、メールによる挨拶が一般的です。
メールには過去の仕事でお世話になった感謝と、後任の担当者や連絡先を記載します。引き継ぎがスムーズに行われれば、職場の業務に影響が出にくくなり、残されたメンバーの負担を減らすことが可能です。
円満な退職は、社内外の人たちとの良好な関係につながります。信頼できる関係は、転職先や将来のキャリアにおける大きな資産です。
退職挨拶メールの送付タイミング
退職挨拶メールは、社内と社外で送るタイミングが異なります。社内向けには最終出勤日、社外の方々には最終出勤日の1〜2週間前に送信します。急な退職の場合は、決まったタイミングですぐに送信しましょう。
社内挨拶のメールは最後の挨拶の意味が強いため、最終出勤日に送るのが一般的です。お世話になった人たちに、心を込めて送りましょう。ただし、会社によっては、送信のタイミングが決まっている場合もあります。前もって上司や人事部に確認してください。
社外向けの挨拶メールは、部署やプロジェクトの状況に応じてタイミングを調整します。一般的には後任者が決まり、社内にも周知されていることが条件です。退職まで期間があれば引き継ぎもきちんとできるため、取引先に安心してもらえます。
退職挨拶メールの送信対象者の考え方
退職挨拶メールは、全員に送る必要はありません。お世話になった人や一緒に仕事をした人、やり取りの多かった人に送信します。社内外の誰に送ればいいか、詳しく解説します。
社内対象者の選定方法
社内に退職の挨拶メールを送信する対象者は、以下を参考にしてください。
- 直接の上司や部門長
- 同じプロジェクトのチームメンバー
- 業務上連絡を取っていた同僚
- 仕事の影響を受けた他部署の関係者
- 人事部や経理部の担当者
事前に送信先をリストアップしておくと、連絡漏れのリスクを低減できます。メールアドレスも間違いがないか、チェックしましょう。メールは一斉送信でも構いませんが、お世話になった方々には、個別に感謝の気持ちを込めたメールを送ることがおすすめです。
社外対象者の選定方法
社外への退職挨拶メールの送信対象者は、関係性と過去のやり取りを基準に考えましょう。
具体的には、次のような人が候補となります。
- 直接業務に関わっている人
- 過去にお世話になった人
- 以前協力関係にあった人
- 継続中のプロジェクトに関わっている人
仕事の関わりに限らず、定期的にコミュニケーションを取っている人にも送信しましょう。現在のやり取りが少なくても、過去にお世話になった人にも連絡します。円満な退職と挨拶は、将来的にも良好な関係維持につながります。
退職挨拶メールの書き方の基本
退職挨拶メールの書き方の基本は以下の3つです。
- 件名の選び方
- 本文の構成
- 言葉遣いと丁寧な表現
件名の選び方
退職時の件名は、社内向けと社外向けで以下のように書き方を変えます。
- 社内:「退職のご挨拶 部署名 氏名」
- 社外:「退職のご挨拶 会社名 氏名」
件名に「退職」と「氏名(フルネーム)」を入れて、用件がすぐに伝わるよう配慮しましょう。社外向けの場合、会社名を入れることで同姓同名による誤解を防げます。
件名は簡潔にまとめ、句読点を入れないのが一般的です。絵文字や顔文字は避けましょう。スマートフォンで見る場合も考慮し、20文字以内に収めると理想的です。最後まで相手に気を配り、フォーマルで礼儀正しい表現を心がけてください。
本文の構成
本文は次のような構成が一般的です。
- 簡単な挨拶
- 退職の報告と日時
- 感謝の言葉
- 連絡先(任意)
- 結びの言葉
- 署名
退職理由の記載は任意ですが、詳しい内容を書く必要はありません。「一身上の都合により」や「退職することになりました」などで十分です。職場に不満があったとしても、愚痴を書くのはふさわしくありません。お世話になったことへの感謝の気持ちをつづりましょう。
感謝の気持ちが大きい場合、文字数が増えることがあります。ただし、挨拶が目的なので疲れない程度の量にします。逆に短すぎると冷たい印象を与える可能性もあります。相手との関係性を考えながら、適度な文字数に収めましょう。
退職後の連絡先として、プライベートのメールアドレスや電話番号の記載は任意です。最後に丁寧な結びの言葉を加えてメールを終えましょう。
言葉遣いと丁寧な表現
退職の挨拶メールは、フォーマルな場です。親しい間柄でも礼儀正しく、敬意を持って丁寧な言葉遣いと表現で書きましょう。
社内向けのメールの冒頭は「お疲れ様です」とし、社外向けは「いつも大変お世話になっております」から始めます。続いて部署名や会社名、自分の名前を伝え、退職する旨を簡潔に記載します。
社内外どちらにも「本来であれば直接お伺いすべきところ、メールでのご挨拶となり申し訳ございません」とお詫びを伝えましょう。メールの締めくくりは「ますますのご活躍(ご健勝)をお祈り申し上げます」や「ありがとうございました」とします。
長く書きたい気持ちがある場合でも誤解を招かないように、明確で簡潔な文章を心がけます。送る人へ敬意を持って、感謝の気持ちと今後の発展への祈りを伝えましょう。
退職挨拶メールの例文
退職挨拶のメールは、送る人によって文面を変えます。
以下に、具体的な例文を紹介します。
- 社内向け退職挨拶メール
- 社外向け退職挨拶メール
- 上司への個別の退職挨拶メール
社内向け退職挨拶メール
社内向けの退職挨拶メールの例文は、以下を参考にしてください。
件名:退職のご挨拶 ××部 氏名
本文:
関係者各位
お疲れ様です。××部の××です。
突然の連絡で恐縮ですが、このたび一身上の都合により⚪️月末で退職することになりました。本日が最終出社日となります。本来であれば直接伺うべきところ、メールでのご挨拶となり申し訳ございません。
これまで皆様には大変お世話になり、心より感謝申し上げます。皆様のおかげでさまざまな経験を積み、多くのことを学べました。業務で学んだことを生かし、今後も精進してまいります。
最後になりましたが、皆様の更なるご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。今までありがとうございました。
(署名)
社内向け退職挨拶メールのマナーと基本
社内向けの退職挨拶メールのマナーと基本は、以下のとおりです。
- 件名は簡潔に「退職のご挨拶」から始める
- 本文の始まりは丁寧な挨拶から始め、簡単な自己紹介をする
- 退職理由を簡潔に記載し、退職日を伝える
- 在職中の感謝の気持ちを表す
- 結びに再度感謝の言葉を入れ、丁寧に締めくくる
退職後の連絡先の記載は、任意です。連絡先を伝える場合は、最後の締めくくり文の前に簡潔に記載します。適切なマナーと丁寧な言葉を使い、終始感謝の気持ちを伝えましょう。
社外向け退職挨拶メール
社外向けの退職メールの例文は、以下のとおりです。
件名:退職のご挨拶 株式会社×× 氏名
本文:
関係者各位(個別の場合は、相手先の会社名と名前)
いつも大変お世話になっております。株式会社××の××です。
私事で大変恐縮ですが、このたび一身上の都合により⚪️月末で退職することになりました。最終出社日は⚪️月⚪️日の予定です。本来であれば直接伺うべきところ、メールでのご挨拶となりましたことをお詫び申し上げます。
皆様(個別の場合は個人名)には何かとお力添えをいただき、大変お世話になりました。あらためてお礼を申し上げます。
後任は、本メールのCCに入れております××(フルネーム)が担当いたします。退職までにしっかりと引き継ぎをしますので、どうぞご安心ください。あらためて××からも連絡いたしますので、今後ともご指導ご鞭撻のほど、お願い申し上げます。
後任者:××
メール:××@××
連絡先:××
末筆ながら、皆様(××様)の更なるご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
(署名)
社外向け退職挨拶メールのマナーと基本
社外向けに退職メールを送る際は、企業メールから送るため礼儀正しい言葉遣いを心がけましょう。
社外向けメールの基本は次のとおりです。
- 件名は簡潔に「退職のご挨拶」から始める
- 本文の始まりは丁寧な挨拶から始め、簡単な自己紹介をする
- 退職の事実と退職日を簡潔に記載する
- 在職中の感謝の気持ちを表す
- 後任者の名前と連絡先を記載する
- 結びに再度感謝の言葉を入れ、今後の成功を祈る言葉を添える
社外宛のメール連絡において、一斉送信は失礼にあたりません。送信対象者が少ない場合は個別送信が推奨されますが、人数が多い場合はBCCで送りましょう。宛先(To)は自分のアドレス宛にします。
後任者の連絡先を添えると、引き継ぎがスムーズに行われ安心感を与えます。退職後の連絡先に、私用の電話番号やアドレスは記載しません。個別でやり取りをしたい場合は、上司に相談しましょう。
メールに記載する内容は、今までの感謝と敬意を表した文章です。企業の一員として短めに用件を伝えつつ、今後の成功を祈りお別れの挨拶をしましょう。
上司への個別の退職挨拶メール
上司へ個別に退職メールを送信する場合の例文は、以下のとおりです。
件名:退職のご挨拶 ××部 氏名
本文:
××部 部長 ××さん
お疲れ様です。××部の××です。
このたび一身上の都合により本日で退職することになりました。本来であれば直接伺うべきところ、メールでのご挨拶となり申し訳ございません。××部長には、これまで多くのことを学ばせていただきました。アドバイスや励ましのお言葉をいただくなど、温かく見守っていただき感謝しております。
〇〇のプロジェクトでは貴重な体験を得られ、かけがえのない経験となりました。今後も教えていただいた経験を生かし、新たな活動の場で励んでまいりたいと思います。今後の連絡先は以下となります。何かございましたら気兼ねなくご連絡をいただけますと幸いです。
メール:××@××
連絡先:××
最後になりましたが、××部長のますますのご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
(署名)
上司への退職挨拶メールは、一斉送信にせず直接送信します。一緒に働いた期間中に学んだことやエピソードに触れ、感謝の気持ちを伝えましょう。
退職メールに返信が来たときの対応
退職メールに返信が来た場合は、内容に応じてメッセージを返しましょう。
返信するか迷った場合は、以下を参考にしてください。
- 返信が必要なケース
- 丁寧な返信方法
- 返信例文
返信が必要なケース
返信が必要なケースは、次のとおりです。
- 上司や特別な関係者から感謝や励ましのメッセージが届いた
- 質問や連絡方法を求めるメールが届いた
- 引き継ぎに関する質問が届いた
- 社外のビジネスパートナーやクライアントからメッセージが届いた
- 個々に返信を求める特別な内容が含まれていた
上司や特別な関係者からのメッセージには、今後も良好な関係を続けるアプローチとして返信しましょう。引き継ぎ中の質問は、積極的に返信し、不安な点や疑問点を在職中に解消して、後任への負担を和らげる効果があります。
退職理由や転職先の質問が来た場合、内容の記載は控えましょう。退職者とのメールは、会社の情報システム担当者など、第三者の目に触れる可能性があります。個人情報や仕事の愚痴を書くのはマナー違反です。
丁寧な返信方法
返信すると決めた場合は、すぐにお礼の返事をしましょう。
返信の際も、次のポイントを押さえてください。
- お礼の言葉を冒頭に入れる
- 相手のメッセージに具体的に返答する
- 簡潔に書く
- 文末に再度感謝の言葉を添える
- 署名を忘れずに書く
退職メールへの返信は、ビジネスメールであることを忘れずに、敬意と感謝を示しつつ心のこもった内容が大切です。最後にもう一度文章を見直し、誤字脱字がないか、宛先が間違っていないか確認しましょう。相手がBCCでメールを送っていた場合は、返信する必要はありません。
返信例文
以下は返信の例文です。内容に合わせて変更してください。
件名:Re:退職のご挨拶 株式会社×× 氏名
本文:
株式会社××様
いつも大変お世話になっております。株式会社××の××です。
このたびは、退職の挨拶に温かいお言葉をいただき、誠にありがとうございました。いただいたお言葉に、大変励まされます。
ご質問いただいた件ですが、来週中に内容をまとめまして資料を送付する予定です。その際、後任者と直接説明する機会をいただけますと幸いです。他にも疑問点やご質問等ありましたら、ご連絡ください。残りの期間も精一杯努めます。
××様からいただいたアドバイスのおかげで、チームワークの重要性を学べました。今後のご活躍を、陰ながら応援しております。
(署名)
まとめ
退職挨拶メールは、在職中の感謝の気持ちを伝え、次のステップに進み良好な関係を築くための大事なメッセージです。いつ、どのような内容で送るかは、社内と社外の人との関係性から考えます。
具体的には次のポイントが大切です。
- 退職の事実と日時
- 職務への感謝
- 引き継ぎ事項
- 相手への祈り
退職後に偶然会うこともあります。キャリアステップによっては、関係が長く続く場合もあります。再び顔を合わせた際、心残りや気まずくならず話ができるよう、お互いの今後の活躍と幸せを願い合うことが大切です。
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